- 本厚木ピアノ教室講師が、独断と偏見でお送りする -
ピアノ 初心者講座
No.015 〜 緊張すると体内時計が速くなります 〜
「本番はテンポが上がってしまう」
悲しい現実
さて、ピアノ初心者講座15回目のお題は、本番のテンポに関するお話です。
これはわたし自身も恥ずかしながら未だに直面する厄介な問題なのですが、本番で一生懸命演奏して、その時点では、そこそこ弾けてるつもりだったのですが、後になってその時の録音を聞いてみたら、もの凄くテンポが上がってしまっていて、随分と曲が窮屈になっていたり、、
ということが、よくあります。
本番前というのは、本当に色々なことを考えます。
うまく弾きたい。
すごいたくさんのお客さんに見られているなぁ。
練習の段階で追い込みきれていない箇所は大丈夫だろうか?
譜面を見失ったらどうしよう?
この曲苦手だなぁ。
(ひどい時は)どんな曲だったかな?
等々、音楽のジャンルやお仕事の種類、おかれた状況に応じて様々ではあるのですが、
全ては、「間違えたらどうしよう、、」というところに集約されると思います。
それらの思いは、全て緊張や不安という感情に向かうわけで、本番前は多かれ少なかれ何かとナーバスになることがあります。
緊張すれば、それに比例して心拍数が上がりますので、その作用によって、本番のテンポが上がってしまうわけですね。
興奮すると早口になるのと同じでしょうか。
では、どのように対処すれば良いのか?
というと、それはいくつか段階があると思います。
一番良いのは、当たり前なのですが、嫌ってほど練習することです。
これだけやったのだから、大丈夫。と思えるくらい練習することで、本番の緊張はかなりのレベルで和らぎます。緊張どころか、本番を楽しめるくらいにまでの気構えが出来ていれば、演奏が楽しいですし、これが一番いい循環をしていると言えます。
演奏側の楽しさは、確実にお客さんに伝わりますからね。
しかしながら、そこまで入念に練習の時間が取れることばかりではありません。そんな時は、緊張してしまうことを織り込んだ上で、対処法を考えなくてはならない訳で、わたしの場合は、このテンポの上昇に関しては、本番前に体内時計に頼らず、一度簡易的なメトロノーム等を使って、テンポの確認をするようにしています。
だいたいの場合、自分の予想していたテンポ感よりも随分と遅い場合があり、あぁー今自分は緊張しているんだなーと、自覚させられる訳ですね。
そうそう、テンポが上がってしまうと、基本的にはマイナスの要因しかありません。
楽曲が窮屈になる。(慌てている)
指の動きが速くなる分技術的負担が大きくなる。つまり演奏がキツくなる。
これを、しっかりとしたテンポで弾けると、
楽曲が本来あるべきテンポ感になり心地よく
指も練習通りの動きなので、余計な負荷がかからない。
このように、テンポをしっかり保つことは、いいことづくしです。
曲に入る前はもちろんのこと、残念ながら演奏の途中でミスしてしまった時なども、焦りによってテンポが上がります。
また、もう少しで終わる。なんて時も、速く終わりたいがためにテンポが上がってしまったりしますので、そんな時は、自分の中で、思っている以上に、テンポを落として弾く意識が大切かと思います。
意外と、それでもまだ速かったりしますからね 汗
今回は、緊張にまつわる、人間らしいお話でした。